2017年3月21日火曜日

ラムチョップで有名な長岡商事株式会社 代表取締役 前川弘美さん登場。

in-職(いんしょく)ハイパー“飲食の戦士たち”ラムチョップで有名な長岡商事株式会社 代表取締役 前川弘美さん登場。
本文より~

始まり。

「あいつが男ならよかった」と、生前、創業者で当時、会長だった父は、常務にそう呟いていたそうだ。とはいえ、男なら良かったと言われた本人の前川弘美氏は「最後まで怒られてばかりだった」と笑う。前川氏は5人兄妹の末っ子。末っ子の前川氏が生まれた翌年、父は東京・上野に小さな喫茶店を開業する。それが長岡商事株式会社のはじまりである。
「父は早くに祖父を亡くし、15歳で1人、下関に引っ越します。旅館の丁稚奉公からスタートし、盛岡で財をなし、家族を呼び寄せました。戦争が大きな影を落とした時代でした。『塩を舐めて暮らした』と母は当時の様子をそう語っていました」。

盛岡でいくばくかの財をなした父は、前述通り、前川氏が生まれた翌年、つまり1963年に東京・上野に喫茶店を開業する。「上野は喫茶店発祥の地なんだそうです。当時若者の憩いの場は喫茶店になり、かなり繁盛したと聞いてます。喫茶店だけではなく焼肉店や、そうそうトリスバーも大ヒットしたそうです」。
敗戦から立ち直ろうとする時代が生んだ活力が、高度経済成長の時代を生み出した。上野は時代の象徴の一つとなっていく。上野の山に桜が咲くと人が集い、上野公園にパンダがやってくると人盛りができた。アメ横にも、たくさんの人が行き来した。
前川氏は、そういう上野をみて育った。
「不忍池でザリガニを釣ったりして、小学生の頃はわんぱくだったですね。末っ子で、兄たちの影響も少なくなかったと思うんです(笑)」。
大好きな兄、姉。「母も大好きでした。でも、父は苦手だった。怒りだすととまらないし…。」

反抗していた時代も長かったそう。「何度も家を出て行ってやろうと思ったこともあったんですが、そうすると母が怒られるから、思い切ることができなかった」とも語っている。
だから、子どもの頃には、いや社会に出てからも、父の仕事を引き継ぐとは思いもよらなかったそうだ。

服飾デザイナー

兄たちの影響もあり、中学から音楽をはじめた。高校では男子バスケット部のマネージャーを務めるかたわら、仲間といっしょにバンドを組んだりもした。
「子どもの頃は、かなり成績も良かったんですよ。でも、高校になるとぜんぜんだめ。勉強もしていないんですから、そりゃそうですよね。大学受験に失敗して、もういいやと思っていたんです。そうしたら、のちに医者になる一つ上の兄が、どうしても『受験しろ』といって。受験票を試験会場まで持ってきてくれたんです。私はディスコで朝まで踊って、しかたなく直行です(笑)。それで受験し、合格したのが『杉野女子大学』です。意に反した服飾系の大学に行くことで私の運命が動くんですから、わからないものですよね(笑)」。
卒業する頃には、デザイナーになろうと思っていたそうだ。実際、前川氏は服飾デザイナーとして6年、アパレルメーカーで勤務している。「最初は受付からのスタートです。でも、すぐに認めてもらうことができて、晴れてデザイナーの仕事をすることができました。私が手がけた作品がヒットし、ご褒美でヨーロッパ視察に行かせてもらいました」。
22歳からの6年間。前川氏は大好きなデザインの仕事に従事する。大学では、あそび専門だった彼女が、仕事を開始すると人がかわったように仕事に打ち込むようになる。
もっとも、「真夜中まで仕事をして、それから飲みに行くのが日課だった」と笑う。退職したのは、からだをこわし、それを知った父が激怒したからだという。前川氏のことを心配してのことなのだろうが、父の気持ちは前川氏にうまく届かない。
「それから、転職し、月刊誌の編集を手がけます。化粧品もつくっていた会社だったので、最初はパッケージのデザインからスタートしたんですが、編集も手がけるようになって」。映画監督など、いままで付き合ったことがないような人とも交流がはじまったのはこの時だ。「編集の仕事が面白くて、周りの人は5時にはさっさと引き上げるんですが、私はいつも10時、11時まで残って仕事をしていました」。
その仕事を辞めて、一度行ってみたかったという、チベットを訪れカイラス山を登山し、ネパールへと約1ヶ月旅に出る。出かける前に知り合ったご主人と結婚し、専業主婦となり、2人の子をもうける。
父と娘は、ひとつの線をひきながら、微妙な関係を保っていたのかもしれない。「主人が父に挨拶するために我が家にやってきた時、彼にも激怒するんじゃないかってびくびくしていたんですが、拍子抜けするくらい好意的な対応でした。宜しくお願いしますって。結婚しろ!と散々怒鳴られてはいたが、本当に結婚を望んでいたのだなとわかりました(笑)」。
父親の愛情をはきちがえていた、照れ隠しにも聞こえなくもなかった
・・・続き
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