in-職(いんしょく)ハイパーの“飲食の戦士たち”に再登場企画 株式会社FS.shake 代表取締役 遠藤勇太氏登場。
年商120億円が、8年後の今。
シーシャは、「水タバコ」とも呼ばれるタバコの一種。若者を中心に人気が高まり、「チルする」という言葉も生まれた。「まったりする」という意味なんだそう。
語源は「chill out(チルアウト)」(「冷静になる」「落ち着く」)とのことだ。
今回、8年ぶりの登場となった株式会社FS.shakeの代表取締役、遠藤勇太さん。2021年7月に、前回にはなかった「シーシャ カフェ&バー C.STAND新宿三丁目店」をオープンしている。
2017年にインタビューさせていただいたときは、水炊き鍋の「とりいちず」一本だったが、8年経った現在、2025年では「とりいちず」のほか「シーシャ カフェ&バー C.STAND」をはじめ、「もんじゃ酒場だしや」「博多酒場あいらしか」など複数ブランドを手がけ、全国展開するに至っている。
年商をみれば、違いは明らか。「2017年の、あのときは20店舗くらいで年商も10億円くらいでしたが、今は173店舗で約120億円を見込むまでになっています」とのこと。
コロナ禍を経て、急激に業績を拡大している。
アルバイトで、方向転換。ロボットから、飲食へ。
創業店のオープンまでの話を、前回のインタビューをもとに振り返ってみる。遠藤さんは1983年、島根県の安来市に生まれている。
「親戚も含め、みんなお堅い仕事。飲食に進むことには大反対された」とおっしゃっていた。
理系が好きで、ロボットに興味をもった遠藤さんは「松江工業高等専門学校」に進んでいる。
だが、モンテローザの「白木屋」でアルバイトをしたことで、人生は大きくかわる。ロボットより飲食に興味の針が傾いた。大反対されたのはモンテローザに就職したときのこと。
ただ、しばらくして、モンテローザを退職。そのとき遠藤さんの背中を押したのはお母様。息子の想いをだれよりもご存知だったんだろう。遠藤さんは、好きな料理を極めるため「服部栄養専門学校」へ進学するため、上京した。
料理の道を進んだ遠藤さんは、29歳で起業。2012年、西新宿に、水炊きと焼き鳥をメインにした鶏料理の専門店「とりいちず」をオープンする。
オープン当初こそ苦戦したが、鍋の季節になると徐々に業績がアップ。以来、5年で、20店舗を達成している。
しかも、それから8年で店舗数は8倍に、年商は12倍になっていた。なにが飛躍のカギだったんだろうか?
遠藤さんに尋ねると、予想外の返答だった。
「きっかけは、コロナです」。
コロナ、打ってでるしかない。
「コロナがなければ、年商も30~50億円でとまっていた」と、遠藤さんはいう。
その理由を伺うと、「コロナがきっかけで『とりいちず』以外にもチャレンジしてみようとなったことが、業績アップにつながった」そう。
「焼肉でしょ、エビ居酒屋、白湯ラーメン、とりいちず食堂と、いろいろやりましたね、うまくいきませんでしたが」と笑う。
<だめだったんですか?>
「そうなんです。でも、失敗ばかりじゃなかった。成功もしました。『シーシャ カフェ&バー C.STAND』が、その一つです」。
複数ブランド。その発想が起爆剤になった。
とはいえ、コロナ禍である。
「うちは従業員の希望もあって、全店ではないですが、オープンできるお店はコロナ禍でも営業していました。新ブランドにも挑戦し、C.STANDをオープンしたのは、2021年の7月です」。
コロナ禍での戦い。
身をかがめてやり過ごすか、打ってでるか。
資本が潤沢な会社は前者を選択できるが、そうでなければ打ってでるしかない。経営者には、ギリギリの選択が迫られたときでもある。
結果的には、この打ってでる戦略が功を奏する。「C.STAND」だけでも、今や全国に46店舗。
時流に乗ったと言えば、それまでだが、それ以上に遠藤さんの果敢なチャレンジにこそ、成長の本質がある。
とにかく、アンテナの感度が高く、いいと思えば、ためらわない。「シーシャ」もそうだが、生ビール199円が話題になっていると聞けば、すぐに199円の生ビールを売り出した。
いち早く、目をつけ、その勢いに乗るのがうまい。ただ、ブームに乗るだけではなく、牽引する。
やるとなればエンジンがちがう。ただし、だめだと、わかればすぐに撤退。とにかく、決断が早い。これが、遠藤さんのストロングポイントである。
遠藤さんの視野には、ボーダーがない。
2025年現在、「とりいちず」をはじめ、「C.STAND(シースタンド)」「もんじゃ酒場 だしや / 月島もんじゃ 三日月」「博多酒場あいらしか」「焼き小籠包 火鍋 飲飲酒場 (ヤムヤムサカバ)」などを展開。
M&Aをきっかけにラーメン業態「麺屋音(天翔)」や「串亭(リアルテイスト)」がグループインし、ブランドの幅がさらに広がった。
「業態によって、ロケーションがかわってくる。『とりいちず』と『C.STAND』では、当然、ちがいますし、『串亭』だったら、商業施設もOKです」。
ロケーションといったが、遠藤さんがいうのは、東京だけではない。話が鹿児島に飛んだと思えば、次には大阪の話になる。
鹿児島の話は「C.STAND」が登場して、大阪の話では「もんじゃ酒場 だしや」が登場する。
遠藤さんにはボーダーという感覚がないようだ。「いけそうなら、ベットする」。尽きないエネルギーで次々、領域を拡大している。
業績だけでいうわけではないが、まさに、次世代の飲食のリードオフマンだ。
「来期は180億円超えを見込んでいる」と遠藤さん。
そんな遠藤さんに、一番きつかったのはいつ?と聞いてみた。意外にも、飛躍のきっかけともなったコロナのときという。 どういうことだろう?
・・・続き
(社長記事やグルメ情報など飲食の情報はキイストンメディアPR事業部まで)
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