2025年5月21日水曜日

株式会社ZENJI 代表取締役 工藤拓也氏登場。

in-職(いんしょく)ハイパー“飲食の戦士たち”株式会社ZENJI 代表取締役 工藤拓也氏登場。

本文より~

原材料費が高騰するなか、現れた平均30%の営業利益率を記録する「油そば専門店」

今回、ご登場いただいたのは「らぁ麺善治」と「油そば専門店 麺と油」を経営する株式会社ZENJIの工藤社長。インタビュー時で29歳という若き経営者。
コロナ禍の下、2021年12月にオープンした「らぁ麺善治」はコロナ禍の最中に関わらず初日から大行列をつくり、坪売上80万円を記録。
現在は、そのノウハウをもとにフランチャイズ化を進め、開業支援も積極的に行っている。
現在の、原材料費が高騰するなかで注目されているのが、2024年11月にリリースした<油そば専門店「麺と油」>。通常のラーメン店と比べ、「原価率を約12%も削減できる」とのこと。
実際、オープンから平均30%の営業利益率を記録しているというから驚きだ。
もちろん、「油そば」、そのものが旨い。
油はサラダ油ではなく「鶏油(チーユ)」と「豚油(ラード)」の2種類。醤油、塩、赤味噌とバリエーションも豊富で、卓上調味料は10種類、トッピングも10種類(50円~)用意されていて好みによってカスタマイズできる。
「らぁ麺善治」同様、こちらの「麺と油」でもフランチャイズも進めていて、2025年3月現在、10店舗限定だが、「加盟金200万円が、0円」と大盤振る舞いのキャンペーンを打っている。
原材料費が高騰するなか、ラーメン店の経営者にとっても、気になるブランドだ。
さて、その話はいったんわきに置き、いつも通り、工藤社長の話である。
工藤社長は、1995年、生まれ。
父親は法律関係、母も、今は姉も行政書士という家柄。お父様は、北海道大学出身。
「父親はきびしい人でした。とくに勉強については」。
なんでも、小学生のときには「1日9時間勉強しろ」と命令されていたそうだ。「めざせ、開成中学」。「姉は父親が望むように育ちましたが、私はね」と破天荒な話が始まる。

両親が離婚。父親から解き放たれた少年は。

「小学4年生のときに両親が離婚します。父親から開放されたもんですから、今までの反動で漫画を読み漁り、卒業式にも出席しない少年になりました」。
<開成はどうなりました?>
「もちろん、頭のすみにもない(笑)、進んだのはふつうの中学です」。
進んだ中学はふつうだったが、工藤社長は、ぜんぜんふつうじゃなかった。
地元でいちばん顔が広い、やんちゃな中学生。
「通学が面倒で2年生は学校にも行かず、中学3年生からは心を改め、学校に行くんですが。進学には2年時の内申がカギなんだそうですね。そういうのも知らなかったから。だって、もう3年でしょ(笑)」。
進学したのは「『こころざしを漢字で書け』っていうのが、入試問題の定時制です」。
もう一つの設問は「あめにもまけずを同様に漢字で書け」という問題だったらしい。
もちろん、宮沢賢治の有名な「雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ…」の冒頭の一文である。
ともかく工藤社長は、雨ニモマケズ 風ニモマケズの、やんちゃぶり。
17歳のときには警察沙汰を起こし、退学している。町いちばんのやんちゃものが、野に放たれる。非行に走ったが、受験で書いた一文字、そう「志」はあった。
「ビッグになる」が少年の口癖だったそうだ。

26歳。ビッグになる一歩を踏み出す。

「やんちゃ」だが、ご両親譲りなんだろう。頭は、いい。ビッグになるという「志」もある。ただ、何をしていいかわからない。アルバイトの、その先に、飲食があった。
「飲食のアルバイトが、この世界に入るきっかけです。19歳からは飲食のキャッチをはじめます」。
21歳で、キャッチを卒業した工藤社長は、そのあと飲食店を2社、経験。人生の師匠という人物にも出会い、26歳のとき、かつての暴走少年は、事業家としてスタートする。
そのときの話もうかがった。
「デリバリーからのスタートです。業務委託のようなスタイルで、オリジナルでバーチャルレストランをはじめ資金をためて、いきおいにまかせて起業します」。
<それが2021年12月、横須賀にオープンした「らぁ麺善治」ですね?>
「横須賀に縁もゆかりもなかったんですが。もともと単価900円の飲食店が6年つづいていたもんですから、6年は大丈夫だろうと(笑)」。
<ビッグになる、一歩を踏み出したわけですね?>
工藤社長は、ちからづよく頷く。

直感力×マーケティング。ロジカル思考は、ご両親譲りか。

さすが、前職では若くして事業部長を経験している工藤社長である。
「いきおいで」とのことだったが、話を詳しく聞くと、マーケティングにもそつがない。やはり、ご両親同様、ロジカルな思考が得意なんだろう。
「横須賀は濃厚なラーメンの聖地で、ラーメン激戦区です。ただ、ラーメン店は多いものの、あっさり系が意外になかった。人口を調べてみると、若者だけじゃなく、60代以上の方も少なくない。だったら、その方々をターゲットにして、細麺のあっさり系で勝負してみるのもありかな、と」。
「あっさり系と、もう一つは濃厚なラーメン」と工藤社長。2本立てだが、あっさり系のラーメンがプラン通り年配者の志向をキャッチ。初日から大行列をつくり、わずか10坪で月商800万円。つまり、坪売上80万円を記録したのは、すでにお話した通り。 額にも驚くが、コロナ禍の下での記録というから、なおさら。
「ヒットしたのには、もう一つの仕掛けがあって」と工藤社長。
<もう一つの仕掛け?>
「ええ、じつは、380円のうな丼をメニューに入れていたんです。原価は60%でしたが(笑)」。「ミニサイズ」といいつつ、写真をみさせていただくと、ちょうどいいボリューム。
「横須賀って米軍の人もいるでしょ。彼らの志向を調べると『EDO(江戸)』が一つのキーワードになるとわかって。江戸って言ったら、天ぷら、あなご、うなぎ。そのなかから再現性が高い『うなぎ』をやろうということになって」。
<ラーメンとうな丼?>
「セットではなく、単品です。ミニサイズですが、380円でうなぎが食べられるのはうれしいでしょ。最初は、うな丼をめあてにしていらっしゃるお客様も多かったです」。
<思い切った発想が功を奏したわけですね。奇抜ですが、大きな差別化のポイントですね?>
「そう、ちなみに、月商は今もキープしていて、昨年12月には1000万円台を記録しています。善治のラーメンファンが多くなった証です」。
ちなみに、横須賀店の隣に出店したラーメン店(こちらは豚骨)が、今の「油そば専門店 麺と油」。2店で工藤ワールドをつくっている。

証明してみせたのは、修業しなくていい、という事実。

話を聞いていて、浮かんだ疑問を、そのまま質問してみた。
<いつ修業されたんですか?>
「ラーメンですか?」
<そうです。ラーメン店では勤務されていませんよね?>
「そうですね。じつは、そこが私の話の、また今の事業のなかでの、ポイントなんです」。
どういうことだろう?
「みなさん、ラーメンをどこで修業した?と、おっしゃるんですが、飲食の人って、キッチンでも、はたらいているから、何でもつくれちゃうでしょ。パスタだって、〆のラーメンだって。そもそも、ラーメン店って修業しないとオープンできないって思い込みにすぎないんです」。
「事実、私はラーメン専門店で、修業はしてないですから」。
「私に言わせれば、ぎゃくにそのほうがいいんです。ラーメンの経営者って、みんな『あとちょっと』って言うでしょ。たとえば『塩をあと少し、醤油を』なんてやる。それで味がブレちゃう」。
「だから、最初からOEMでと決めていた」と工藤社長。「もちろん、OEMと言っても、うち独自のレシピでつくってもらっています」。
<独自のレシピ?>
「私の祖父が飲食をやっていて、その時のレシピが残っていたんです。それを祖母から譲り受けて。じつは、『善治』は、祖父の名前なんです」。
<お祖父様のお名前?>
「そうです。ストーリー性もあるでしょ」。
たしかに、たしかに。
善治さんの手によって生まれ、工藤社長によって令和に再現された、ひとつのヒストリー。ネーミングも鮮やか。
「もうおわかりいただけたと思いますが、ラーメン店は修業しなくていいんです」。
乱暴なようだが、お手本が目の前にいる。
「もちろん、飲食の経験は大事です。ただ、うちではそれもゼロから指導していますので、まったくの未経験でもスタートいただけるパッケージになっています」。
ブレないことで、味が保証される。
もちろん、工藤社長は修業を否定しているわけではない。一杯のラーメンのオリジナリティを高めることも、否定はしない。しかし、ラーメン店の経営は修業をしなくてもできる、これが、事実。
それも、とびきり繁盛するラーメン店をつくることが可能だということを証明している。実際、繁盛ぶりを目にすれば、反論はむずかしいだろう。

株式会社ZENJI 代表取締役 工藤拓也氏

・・・続き

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